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と り こ

『利休にたずねよ』

「たかが茶ではないか。なぜ奴は一服の茶にそこまで執着するのだ?」

天下をとった秀吉と、美を追求する利休の思いが、利休の切腹から以前に遡って書かれています。

私が心に残った章は、『三毒の炎』でした。
三毒とは、仏法が説くむさぼり、いかり、おろかさをさしています。

禅僧の宗陳は、無意識のうちに見下していた秀吉の怒りを買い、九州へ追放されることとなった。
そんな宗陳に言った利休の言葉。

「肝要なのは、毒をいかに、志にまで高めるかではありますまいか。高きをめざして貪り、凡庸であることに怒り、愚かなまでに励めばいかがでございましょう。」
(PHP文芸文庫P299)

なるほど~
人間の欲や業は深いですし、誰もが持っており、なくなりませんね。

ただ、終わりは美しいものとしてまとめられてしまったように思います。
おそらくもっと、ドロドロした争いだったと思うのですけれど。
もっと秀吉と利休の醜さが書けたでしょうに。
それを書くのが目的ではなかったのでしょうね。

お茶に詳しい方が読んだらそれは、ワクワクすることだろうと思いました。
もちろん、お茶を知らない方にもオススメです。

ちなみに去年、堺市に利休の屋敷跡を訪れたことを思い出しました。
広い道路のある静かな町でした。



by torikomesi | 2011-01-23 12:07 | わたしの楽しみ

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